シェルパ

「ビジネスマン、放浪者、そして詐欺師。この男は単に「シェルパ」としてだけ知られている。キラット中で二流品や密輸品を売り歩き、ゴールデン・パスに装備を供給することについてもなんら良心の呵責を感じることはない。この男のやり口には注意が必要だ。」ミン陛下のキラット


シェルパはキラットの中でも特に勇敢でそしてたくましい商人だ。

彼らは店を持たず、商売かごを背負い、キラット国中をひたすら歩き回って商売をする行商である。



護衛もつけず金目のものを持ち歩き、昼も夜もひたすら歩き回って商売をするシェルパのやり方は、現在のキラットではかなり危険な行為と言える。

内戦続きで治安が安定していないキラットでは、いつ襲われてもおかしくない。


ヤクは彼らの親友だ。

共に荷物を運びながら移動する。

いつも背中に背負っている商売かごを撮らせてもらった。

日用品から武器まで様々なものが詰まっている。

彼らによると、品揃えは日々、常に変化していくもので、また買取りは基本的になんでも受けつけるとのこと。

身なりが同じであるため見分けがつきにくいが、口ひげをたくわえているものや、たくわえていないものなどで多少見分けることができる、、、

彼らがこの危険なキラットで商売を続けられるのはその中立性と、キラット各地にも存在する彼らの拠点であるシェルパキャンプなどで繋がる巨大なシェルパ・ネットワークによるものだろう。

またこんな情勢でまともに商売をやろうというような物好きはおらず、商売敵も少ない。

そして何よりこの内戦続きのキラットでは武器がよく売れる。

もしかしたらシェルパは死の商人で、内戦が続く一端を担ってしまっているのかもしれない。

しかしそんなことは彼らには関係ない。

なぜなら彼らは商人だからだ。

商品がなんであろうと、顧客が誰であろうと商売をすることが彼らの生業だから。

将来、彼らの姿が見れなくなるときは、キラットが平和になったときなのかもしれない。

キラット国旅行記

南アジアのある小国に魅了された人間による、旅行記。

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