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「キラ茶農場」そう言われている場所に行ってみると、そこにあったのは一面のケシ畑。
かつてはKEO採鉱からとれる金とともにキラットの経済を繁栄させたキラットの名産キラ茶の畑は、パガン・ミン政権ですべてケシ畑へと変わってしまった。
キラ製茶工場からもほど近いここは夫婦が営む農園のようだ。
大通りと川に挟まれた土地にあり、対岸にはキラ製茶工場の段々畑も見える。
ちょうど夫婦が農作業をしているとこに遭遇した。
話を聞いてみると、現在キラットでは深刻な食糧難が続いているという。
それも元来肥えた土地の少ないキラットの畑をすべてケシ畑にしてしまったのが原因だと。
小麦や米はほとんど食べられず、最近はシリアルばかりの生活。
畑道具も壊れたものしかない。
どうやらキラットの経済は思った以上に壊滅的らしい。
そんな状況にもかかわらず王立軍上層部は良い食事をしているらしく、それもまた王立軍への反感を強めている原因のひとつ。
農作業をする夫婦の背中はなんだか切ない。
現在、名産だったキラ茶ではなく、ケシを生産しているという現実をどう考えているのだろうか。
多分その答えはどうも考えていないのだろう。
キラットの人々にとってはそんなことよりまず日々の生活の安定を求めている。
そのためには茶葉だろうとケシだろうと作らないといけない。
いつの時代も翻弄されるのは無辜な一般市民だと感じる取材だった。
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